大阪旭モラロジービジネスクラブ 第236回例会 開催報告

日時 : 2025年10月18日(土) 19時〜20時50分
会場 : 大阪旭こども病院 キンダーホープⅠ集会室
参加者: 12名

◆開催の概要
:①会長挨拶  ②輪読(『三方よし経営』10月号からの抜粋)  ③グループ討議  ④グループ発表  ⑤副会長挨拶


 

 今回の例会は「意味ある貢献」と「人を大切にする経営」について学び合い、善き経営や人間関係の原点を見つめ直す時間となりました。

◆開会ご挨拶

 皆さま、本日は第236回例会にご参加いただき、誠にありがとうございます。

 このところ日本の政治情勢は歴史的な転換期を迎えています。自民党では高市早苗氏が新総裁に就任し、初の女性リーダーとして注目が集まっています。公明党の連立離脱を経て、これからの国政がどのように舵を切るのか、日本の未来にとって重要な局面です。女性としての胆力あるリーダーシップが新しい時代の追い風となることを期待したいと思います。

 また朗報として、今年のノーベル賞に日本人の坂口氏・北川氏が選ばれました。派手さより積み重ねを尊ぶ姿勢は「凡事徹底」「継続は力なり」を体現したものです。目の前の課題に誠実に取り組む姿こそ、真の力につながることを改めて教えてくれます。 こうしたニュースからも、「意味ある貢献」という言葉の重みを感じます。

 今月は『三方よし経営』10月号より、

  1. 格言に学ぶ職場のモラル ― 意味のある貢献をするために

  2. 人を大切にする五方良しの経営学

の二題を輪読しました。「ギブ&テイク」という言葉が浸透した時代ではありますが、信頼を得る本質は「与えること」から始まります。近江商人の「三方よし」や古典の「先義後利」が示すように、まず相手の幸せを願い、誠実に尽くす姿勢が結果として自らを生かします。今日は「意味ある貢献」と「人を大切にする経営」という視点から皆さまと共に学んで参りたいと思います。

 本日も、どうぞよろしくお願いいたします。

2025年10月18日
大阪旭モラロジービジネスクラブ

会長 猪谷勇三


 【輪読(『三方よし経営』10月号)】 今月の輪読では次の学びを共有しました。

* 義務先行の原理 … 与える姿勢が信頼を蓄積する

* 五方良し …「買い手・売り手・世間」に加え「社員」と「未来」も含めた経営視点

* 継続とは信用の積み重ね * 犠牲・祈願・依頼せず与える精神

第1班の気づきと意見交換

【メンバー】


 まず、「持っていない人(恵まれない立場の人)」への向き合い方について意見が交わされた。

世間では否定的に見られがちだが、実際には真面目に努力している人も多く、背景には複雑な事情がある。一面的な決めつけではなく、理解や共感を持って接する姿勢が大切だという点で意見が一致した。

 一方で、現場ではすぐに成果を求められる状況が多く、報われない努力や評価されない現実、精神的な負担の話題にも及んだ。理想と現実のギャップに揺れる難しさが共有された。

 また、テーマにある「犠牲を先にして祈願し、依頼せず与える」という姿勢についても議論した。理想として共感はあるが、まず自分が成り立っていないと誰かに与えることは難しいという現実的な声と、損得を超えて与える姿勢は忘れたくないという理想が併存していることが語られた。 特に印象的だったのは、「ボトムギバー」の話。相手の成長につながらない、行き過ぎた与え方は、結局双方が不幸になる場合がある。“与えること”と、“見極めること”のバランスの必要性が共有され、最後に、 無理をせず、自分の立場でできる与える行動を続けていくことが大切 という結論で話し合いを締めくくった。

第2班の気づきと意見交換

【メンバー】

 テーマを一言でまとめると、 「無償で与えることの尊さ」と「経営として利益を確保する現実」 この二つの両立について語り合った。 与えても報われない経験、損を感じる瞬間、人の善意が利用されてしまう現場──そうした現実がある一方で、それでも **「見返りを求めずに与える心を持ちたい」**という想いが班員の共通認識としてあった。

 また、建築業の話題では、「追加工事を請求しづらい」「サービスし過ぎて自分が苦しくなる」といった実例が挙がり、そこから、

* 儲けることは悪ではない

* 適正な利益がなければ、与える活動も続けられない という経営者としての核心的な気づきが語られた。

さらに、ラジオの話や教育現場の例も挙がり、

**“心は与える側でありたいが、現実は甘くない”

**という人間味ある議論が展開された。

最終的に第2班では、「倒産しては元も子もない。だからこそ与える心を持ちながら利益を確保することが必要」 という実感を込めた結びとなった。

第3班の気づきと意見交換

【メンバー】


 まず、**「なぜ中国から道徳や徳の学びを求める経営者が日本に来るのか」という話が共有された。中国では宗教や道徳教育が制約され、孟子や孔子の教えすら自由に学べない現状がある。そのため、“心の経営”を求めて日本を訪れる経営者が増えているという背景が語られた。

 また、外国人労働者の受け入れについても議論があり、* 国や家族のために働き誠実に学ぶ人、* 自分の利益だけを求め違法な道へ向かう人、両面が存在する現実が共有された。

 ここで「与える心」と「見極める目」を両立しなければならない という結論へと進んでいった。さらに象徴的だったのは、「太陽と月」の比喩。

* 太陽=与える存在、* 月=受けた恩を反射して返す存在

この話を通じ、与えたものが循環し、次の誰かへつながる社会や組織が理想であるという温かいまとめとなった。

以上が、各班ごとのまとめの要約です。

 

 


閉会ご挨拶◆

 本日はご多用の中、例会にご参加いただきありがとうございました。

 「義務先行の原理」にあったように、まず相手の幸せを願い、自分の時間や知恵を提供する姿こそが信頼という資産を築きます。但し、誠実な相手とは深く、不誠実な相手とは距離を置く。これが現代の“賢さ”であるという学びが印象的でした。

 また、坂本光司先生の「五方良し」では、日本の中小企業の姿勢が海外から注目されている事実にも触れました。国際情勢が混迷する中だからこそ、私たち自身が足元の経営と心を磨いていく必要性を強く感じました。

 次回も共に学び合い、良き経営者・良き社会人として成長して参りましょう。

 本日は誠にありがとうございました。

2025年10月18日
大阪旭モラロジービジネスクラブ

副会長 中村善裕


次回例会の日程

次回の第237回 例会は、11月15日(土)19時~、キンダーホープⅠ集会室で開催いたします。

次回例会の案内書は、こちらからダウンロードしてください。