大阪旭モラロジービジネスクラブ第225回例会 開催報告

 令和6年9月21日土曜日19時より、第225回例会を「キンダーホープ集会室」にて開催しました。

お彼岸とも思えぬ厳しい残暑の中、会員の皆様には貴重な時間をお作りいただき、18名もの方にご参加いただきまして誠にありがとうございました。総合司会 福井 郁幹事の開会宣言で19時に開会    

【猪谷勇三会長の開会挨拶】 

 暑い夏もようやく終わり、夜には虫の声が聞こえるようになってきましたが、日中はまだまだ暑さが残っていますね。また、今月9日にはパリパラリンピックが無事に幕を閉じ、選手たちの活躍に多くの感動をいただきました。加えて、台風10号が日本各地に被害をもたらしましたが、幸い大阪は大きな被害もなく過ぎ去り、皆さまお元気な姿を拝見できたことに安堵しております。今月も大勢お集まりいただき、誠にありがとうございます。

 今年は殊の外、話題の多い秋になって、職場でもご家庭でも世界情勢の話から自民党の総裁選挙の動向、アメリカの大統領のことや、兵庫県知事の不信任決議案、庶民レベルでは阪神巨人の優勝争いなど、話題満載の珍しい秋になっております。

 先月は休会となりましたが、今月も三方よし経営の冊子を題材に学びを深めてまいります。今月は企業様の事例紹介ではなく道徳経済一体精神の基本的な学びのテーマから、参加者の皆さまの経験談をご披露頂いて、学びを深くしていけたらと選考させて頂きました。

◆輪読テーマ◆

  1.『道経一体経営原論』をひもとく(P14)「人間の精神生活は道徳に存し、物質生活は経済に存しこの両者は一体である」

  2.『ニューモラル 心のクローバー』

第1週 揉んで味出せ干し大根 第2週 受け取り易いボールを投げる

第3週 「ありがとう」は元気の源 第4週 心の輝きを取り戻す

以上、今月は2つのテーマを採用して勉強会をさせていただきたいと思います。

 幹事による輪読の後、グループに分かれてディスカッションを行い、各グループの代表者から発表をお願いしたいと思います。道徳と経済の一体を目指す「道経一体」の精神をもとに、共に学びの時間を大切にしていきましょう。

 それでは、本日の例会を進めてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

 今回は5班に分けて、各班でのテーマに沿った話し合いが持たれました。テーマは先述した通り、いつもの道径一体経営の実践からの成功事例ではなく、道徳の基本ともいえる格言とニューモラルの月刊勉強テーマを主流に各班どんな話し合いが持たれたか心配しておりましたが、その後の発表を聞きますと、それぞれ、活発に盛り上り、予定時間間がオーバーする盛り上がりを見せました。また、各代表の方がコンパクトに要点をまとめていただき、貴重なご意見をお聞きする時間が取れました。
 以下に各班のまとめを記しておきます。今回不参加の方には是非一度お目通し願えたら幸いです。 

                  大阪旭モラロジービジネスクラブ会長     猪谷勇三

【グループディスカッションのまとめ】
1班発表 発表者 福井郁様 猪谷勇三

メンバー 高橋弘充 池田浩之 猪谷勇三 福井郁

 昨晩はお疲れ様でした。 猪谷会長と2人でしたが、いろんなお話ができました。 工務店の未来の話を含め、最近は資材も高騰しており、就業者もどれぐらいいるのかという話になりました。 また、メールは受け取り手の立場に立って考えないと、取りようによっては誤解を招きます。丁寧に返信しなければならないこと、電話の切り方ひとつにしても、相手がみえないからこそ丁寧にしないといけないとか、やはり基本の基本、凡事徹底が大切ですね。それが自然と所作に出ていれば問題ないのでしょうけど。と言った話しをしていましたが、その後、高橋様池田様が来られてからは、後述の高橋様が今回開店されたお店のオープンに至るコンセプトなどを紹介を詳しく伺いながら、紅茶の話を4人で談笑しました。

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2班発表 発表者 坂本岳之 
メンバー 進憲浩 田中孝幸 恵崎みどり 坂本岳之

『道経一体経営原論』のひもとき及び、心のクロ―バーの考察

 ㈱ネオ・コーポレーション田中さんより

 三方よし経営9月号の記事にあった 佐々木大和さんが田中さんのお客様であるとのご紹介、佐々木大和さんは、ご子息に上手に事業継承をされている旨のご紹介から、テーマが事業継承、配置転換、人事異動の話題となる。

 ㈱理舎の進より、現在次期責任者の教育、育成へ取組の状況を説明。万博れんげ保育園園長の恵崎さんよりも、同じく次期責任者育成の話題を提供。経営者側と使用人側での意見の隔たり等から軋轢を感じ、調整に苦慮されている旨を紹介。

 心のクローバーの第1週に記述のある、「自分の価値観にとらわれすぎていないか」相手の気持ちを思いやることができているかその相手に助けられたことはなかったか。相手に学ぶべき点はないのか・・・」に着目、

 また、同第4週の記述にある「自分が今日を迎えるまでにお世話になってきた人たちの恩に思いを致し、人を育てる心を発揮していく事」にも着目。部下の育成及び教育においての苦労や経験値が自分自身の成長につながることを認識。正に「揉んで味出せ干し大根」のごとく、多くの人に揉まれることによって人柄が柔らかくなっていく旨を認識。相手に不満を持つよりもまずは自分自身が良く変わっていくことが大事と認識。 以上を進様がまとめていただきました。          文責 ㈱理舎 進 憲浩

 また、同班の坂本様からも以下の要約をいただきました。

私の班(進さん、恵崎さん、田中さん、坂本)の報告です。 田中さん 今回のテーマでは無いが、P8の「次代のために海を渡る」佐々木大和さんの記事に関して、この佐々木さんは亀岡市の方で田中さんのお客さんで有る事。この事より、田中さんの仕事の話となり、何故電気代が安くなるのか?という話に発展して、脱線してしまいました。 進さん 現在支店長を務められているが、来年還暦を迎える事より、広島から単身赴任で転勤してくる次期支店長への引継ぎや教育が専らの課題である。 心のクローバーの第4週で、環境が変わり悲観的になってしまわない様に頑張りたい。 恵崎さん 保育園の園長である恵崎さんは経営改善に努めて来て、ようやく結果が出て来たのに、今更、主任が相反する提案をして来た。 今までやって来たのに…と不満を感じたが、心のクローバーの第1週で、 ・自分の価値観にとらわれすぎて無いか? ・相手の気持ちを思いやる事が出来ているか? ・相手に助けられた事は無かったか? ・相手に学ぶべき点はないのか? を見て考えさせられた。 という様なお話が有りました。

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3班発表者 発表者 山本紘揮 

メンバー 中村善裕 奥山隆 山本紘揮

 昨日の例会のテーマで、私なりに勉強させていただいたのは、大勢には善きもの 悪しきものがあり、「大勢に逆行または順応するものは滅ぶ」「 順応しつつ真理を守るものそして、大勢の外に真理のことに心を注ぐものこれらのことを行う者は素晴らしい」と言っておられます。 道徳は労力と費用をなるべく多くもちうる。  この道徳は単に一般的な道徳ではなく廣池先生が言っておられる道徳は伝統を報恩として人心開発救済とするのを目的とするのが本当の道徳であると中村副会長に教えていただきました。そのことは武道の世界も同じで先達たちが命がけで築き上げられた技を決して変えてはいけない。少し齧っただけで自分流に変えてしまう人がいます。傲慢もいいところです。どうぞその様な時は原点に帰って先達たちの技を学び直してください。そうしてその技を後世に繋げていける様に私たちも努力をしていかなければいけないと学ばせていただきました。有難うございました。

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第4班発表者 発表者 大住一馬

メンバー 溝口尚志 山本隆夫 岸本明典 大住一馬

 大勢には、善きものと悪しきものとあり。大勢に逆行するもの、または順応するものは滅ぶ。順応しつつ真理を守るもの残る。を実現する大勢とは、情勢や成り行き、動向や傾向を指し、企業経営でいう大勢とは、「環境」と定義することができます。大勢は、常に変化するため、いかなる企業でも適応を誤ったり、遅れると生き永らえることができませんが迅速かつ的確に適応することが求められています。大勢そのものに善悪はありませんが、大勢が社会、企業、人に悪影響を及ぼす可能性があることを理解しておかなければなりません。企業における真理とは、経営理念のことであり、「道経一体の経営の本質を守る」とも言われています。20年後の事業について考える課題においてで、既に商売を終えて引退しようと考えておられる先輩の話がありました。20年後は、日本の統計データから想定すると、現在の労働者人口に比べて半分以下の人数で社会を回していかなければいけない。効率化に加えて、ロボティクス化、AI化の拡大を推進する必要性がある。大勢に適応しながら真理(経営理念)に沿った経営をすることが、道経一体経営を実現すると言えると考えられる。

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第5班発表者 発表者 本林進

メンバー 大住敬一 菅野倖信 本林進

道経一体経営原論について

 大勢には善きものと、悪しきものとあり‥から話し合いをしました。

時代の目まぐるしい変化に、大勢に順応しなければと生きています。しかしながら、外枠だけうまくつくってやっていけばよいのかというと、その大勢には善いものと悪いものがあります。

反発したら滅びてしまうかもと言って、無原則に大勢に従うことは、一瞬は形が出来上がっても永続しないのではないのでしょうか。

簡単ではありますがよろしくお願いいたします

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以上が各班の発表ですが、

今回は、高志会の高橋様から京都中京区柳馬場六角でこの度オープンされたカフェ「世界から愛されるディルマ紅茶を京都で」

というお店、t-LOUNGE BY DiLmah Kyoto の開店に至った経緯コンセプトのご紹介と

https://www.tloungekyoto.com/ お店で販売されておられるプリンの差し入れをいただき皆さんで美味しくいただきました。そんな和やかな雰囲気の中、時間のたつのは早いもので閉会の時間になり、中村副会長のご挨拶と、猪谷のお礼の言葉を述べさせていただき閉会の運びとなりました。


【中村善裕 副会長の閉会挨拶】

 本日は、三方よしの経営よりニューモラルの冊子の「心のクローバー」の4項目を輪読し、各グループでディスカッションをして頂きました。身近な心づかい、相手を思いやる心の大切さを共に学びました。また、困難に遭遇した折どのような心づかいで対応するかによって、結果が違ったものになることなど。改めて心づかいの大切さを知ったことです。各グループの発表も有意義なものとなりました、有難うございます。最近の出来事で心痛む事件が中国の四川省深圳で起こりました。それは、日本人の10歳の男の子が母親と下校途中に44歳の中国人の男に襲われ死亡したことです。襲われた日は、満州事変の発端となった柳条湖事件の9月18日に起こりました。中国にとって「国辱の日」と言われる日であり、日本大使館でも「危険な日」として注意喚起をしていたそうです。中国政府は、中国人からの在留日本人に対するSNSへの悪意のメッセージの取り締まりをせず黙認しており、この事が遠因であり悲しい事件となりました。日本国民として腹立たしいい限りです。中国政府の見解は、「どこの国でも起こりえること」などと伝えるだけです。日本では現在自民党の総裁選、将来の総理大臣を決める選挙期間中であり、9人の候補が論戦を繰り広げております。その中でも中国の非を認めない親中議員が多いのが現実です。各候補の論戦内容をしっかり確認し、将来の日本の未来を真に託せる総理を日本国民として選ぶことが重要ですね。

 次回のビジネスクラブの例会は10月19日(土)です。皆さまお誘いあわせの上、心よりご参加をお待ち申し上げます。                              

以上

【最後に猪谷会長から】

 今日のテーマはいつもの三方よしの実践経営の成功事例ではなく、道徳の基本的なことを経営に生かして職場の環境を正していくかといったことを、改めて気付いていただければと採用しました。

現在、私たちの建設業の中で、自分の息子さんを後継者の職人に育てている方はごくごく一部に過ぎません。最大の理由は現在の現役世代が魅力を感じていないということだと思います。大工、左官、屋根職、畳職など、ほとんどの職種で、また違う業種でも、後継者不足が深刻な状況です。そのため、このままでは伝統技術の継承は壊滅的な危機に直面しています。昨日の纏めの話では、中途半端な話をしてしまい、呆れられておられるなーと、自己嫌悪を感じています。

以下は少し古い「東洋経済」の記事ですが、現状はさらに悪化していると思われます。

【ゼネコンが招いた建設業の衰退】

外国人労働者の受け入れでは、職人不足の解消には至らない

「建設技能実習の研修で来日した外国人の9割は中国人ですが、再度来日する外国人は限られています。やはり、国内での人材確保が不可欠です」。建設専門工事業の全国組織である建設産業専門団体連合会の才賀清二郎会長は、外国人労働者に過度な期待を寄せることへの警鐘を鳴らしています。まずは、日本人労働者の雇用を待遇改善によって増やすことが最優先だということです。

本来であれば、若年層を中心に日本人の技能労働者を確保したいところですが、都会で育った若者は建設現場での仕事に魅力を感じてくれません。建設産業専門団体連合会が傘下の14業界団体に実施した「雇用状況等に関するアンケート調査」では、2013年通期に903社での若年層(10~30代)採用人数は2430人。そのうち新卒採用は全体の4割に留まりました。

 ヨーロッパのようなマイスター制度が定着し、職人が誇りを持って働ける環境を整え、街の大工さんや工務店がもっと勉強し、ハウスメーカーに引けを取らないレベルに達する必要があります。そのためには(技術職の収入のアップも必須化は勿論です)ニワトリとタマゴのような議論ですが、日本の伝統技術はこのままでは早晩失われてしまうでしょう。

大きなテーマですが、今後も皆様と共に考えていきたいと思ったしだいです。

 次回のビジネスクラブ例会は、10月19日(土)19時からです。 どうぞ宜しくお願い致します。

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以上を持ちまして、第225回例会のご報告とさせていただきます。

             大阪旭モラロジービジネスクラブ会長 猪谷勇三