大阪旭モラロジービジネスクラブ 第226回例会 開催報告
令和6年10月19日(土)、第226回例会を「大阪旭こども病院 キンダーホープⅠ集会室」にて開催しました。
午後から雨模様の予報通り、開会前の夕刻には傘も役立たない強い吹降りの中、大勢お集まり頂きました。
司会の坂本岳之幹事の開会宣言で19時に開会しました。
【猪谷会長の挨拶】
やっと秋らしくなり、季節の気配がますます深まる今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。朝晩はすっかり涼しくなり、心地よい秋風が感じられる季節となりましたが、日中はまだ少し暑さが残る日もありますね。今月も、三方よし経営の冊子を題材に学びを深めてまいります。今回は、企業様の事例紹介というよりは、「道経一体経営言論ひもとく」からと、今月号の巻頭言からの実例をご紹介し、その精神を基本とした学びをテーマに、参加者の皆さまにご自身の経験談や実践をできるだけご披露いただき、より深い学びを進めていければと思っております。この学びから、自らのお仕事や人生において、どのように「三方よし」の精神を活かしていけるのか、改めて考え、共有していきましょう。
今月も皆さまの活発なご意見をお待ち申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。
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今月のテーマをご紹介します。
① 格言に学ぶ職場のモラル
「守破離」を意識して質の高い仕事をめざそう P32
② 巻頭言「お互いの立場を慮る 」P4―P5
以上の二題を坂本岳之幹事と大住一馬幹事に輪読をいただきました。
【要約文です】
三方よし経営10月号の記事を題材にしました。
① の 「守破離」というのは、まずは基本を守り(守)、その後自分なりにアレンジしていく(破)、最終的には独自のスタイルを確立する(離)という成長の過程を指しますと思います。職場でも同様に、基本的なモラルやルールを守ることから始まり、経験を積むことで質の高い仕事を目指していくことが大切です。このテーマでは、日々の業務で「守破離」をどう意識して実践するかに焦点を当ててご意見いただけると幸いです。
② の 巻頭言:お互いの立場を慮る P4-P5というのは、他者の立場や状況を理解し、思いやりをもって行動することの重要性が語られている部分です。職場では、コミュニケーションやチームワークが大切ですが、それにはまず相手の立場を理解し、配慮する姿勢が欠かせません。具体的には、異なる意見や価値観を尊重し、円滑な協力を築くための心構えを学べる内容です。
それでは、以上申し上げました2つのテーマを採用して勉強会をさせていただきました。
【テーマの輪読】
幹事による輪読後、3グループに分かれてディスカッションを行いました。各グループとも活発な意見交換が行われ、進行役の司会者の声も届かないような熱い話し合いがありました。
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それでは、以下に各グループ代表からの発表をご紹介します。
【1班 末松廣一郎さん】
坂本岳之 溝口尚志 猪谷勇三 末松廣一郎
S氏がまず「慮る」について話されました。営業で顧客のところにお伺いする場合、顧客への配慮を怠らないようにしなければならないと上司から教えられたそうです。営業活動において配慮が重要だというのは理解できても、配慮を習慣づけるということは中々に難しいものです。顧客への配慮に務めていても、家に帰れば配慮というものが欠けてしまったこともあるとのお話でした。
次に「守破離」について、ある会社で社員にマニュアルを作成させることをしている会社があり、そのマニュアルに新たな事柄を付け加え削除し基本から応用にさらに高みにフラッシュアップしていくのだそうです。これを実践できるなら個人であれ会社であれ、活気あふれる事業所になるだろうしなっているとのことでした。
次にⅠ氏は、話の最中に今言うべきでない些細なことに違見されて話の腰を折ったりする方がいますが、自分も機嫌の良いときは争わずに過ごせるのですが、機嫌が悪かったりするとつい反論したくなったりする。そんな時こうですよと言ってあげるのが良いのか、ケンカになるのをさけて言わないのが良いのか悩まれるとこです。自分の立場をわきまえたうえで、相手の情況を慮って説明されるのも大事かなとも思われます。冬の寒い工事現場の人に冷たい弁当を食べてもらったのですが、一人若い社員が暖かいカップラーメンを食べていたので皆への配慮がないだろうと注意したのですが、自分で購入したものだから良いのではと反論されました。「守破離と慮る」との関係を結びつけることができるのではないでしょうか。新入社員に基本をきっちり学んでもらい、また廻りへの配慮を彩づけることで、さらに自身の能力をアップして前に進んでもらいたいものですねとのお話でした。
塗装工事を請け負ったM氏は、近隣住人から臭いのクレームを受けました。元請の管理者が住人にこういった工事に入りますとの説明をしていなかったためのものでしたが、元請だけが配慮がなかったのか、それとも下請もそれが無かったのではとのこと。三者のそれぞれの事情や立場を認識し配慮することで仕事もスムーズに進むとのこと。
最後にS2氏は、法とは作成者の意図が制定とともに明らかにされるのですが、法自体は大きな枠組で事柄をとらえ限定的な文言で制定されます。そのためその本質を知らずに誤釈し、運用されたり適用されることがあります。法にも基本の部分、本質が重要で、基本から細部に及ぶ法が作成されます。つまり基本をしっかり身に着けることがなにより大事なのでは。
【2班 恵崎みどりさん】
大住敬一 岸本明典 中村善裕 恵崎みどり
お互いの立場を慮るに対して
大住さん:我が子が小学生の時にPTAの役員になり、子ども300人で京都へハイキングへいく行事があった。その際、300人が休憩できる広い場所を探していると、鴨川の河川敷に広い空き地を見つけた。その土地の持ち主を尋ねていくと、女性の方が応対してくれて中に通されたものの、何やら不穏な空気を感じた。そして、奥にいらっしゃった男性に、今回の目的とお願い事を大住さんが話されると「わかった。」とOKを貰うことができた。その後、河川敷の空き地よりもトイレも近くにあって、便利の良いところに300人が休憩できそうな場所を見つける。大住さんは、再度菓子折りを手に、河川敷の持ち主の方を訪ね(少し、何を言われるか不安)、説明をすると、了承をえることができた。その時のことを思い出された。中村さん:お子さんが、中学性の頃病気で半年ほど療養欠席した後、学校にもどるとひどいいじめに合い、登校拒否になってしまった。その時、父親としてお子さんの行きたくない気持ちをわかっていながらも、無理やり車に乗せて学校に連れて行った。その後、娘さんは精神を病み大変な時期を送った経験から、なぜ、あの時娘の気持ちに寄り添うことが出来なかったのだろうと後悔が残る。今では、大丈夫だが娘さんは中村さんの車に乗る事も嫌がる時期もあったが、他の中学へ転校してからは、すっかり元気を取り戻した。
これに対して恵崎:日本は、まだまだ「みんなと一緒がいい」みたいな風潮があります。その為、「学校へ行きたくない。」という気持ちに対して、なぜみんなと同じことが出来ないの?わがまま?我慢が足りない?と大人は感じる思考になっているから、私も娘が登校拒否をしたら一度は中村さんと同じ行動をとる気がします。ただ、これが、外国ならどうでしょうか?生まれた時から一人の個として尊重されて育てられれば、「いやだ。いきたくない。」という心の叫びを受け止め、大人は他の提案をするのではないでしょうか?やっと、日本の保育指針にも主体性を大事にする指針が書かれていますが、まだ小学校教育からは、主体性を大事にする教育とはほど遠いと思います。
岸本さん:岸本さんの弟さんは、生まれつき小児ポリオという病気を持って生まれてきました。寿命も10年ぐらいだと言われる中、病院・学校どこも受け入れてもらえなかった。岸本さんは、その弟さんを連れて商店街の紙芝居を、お金を持っていなくても見える所で見たり聞いたりしながら、いつも一緒に外に出て遊んだ。その時経験した、世間の目、厳しさを身をもって経験し、当時はつらい思いもあったのだが、あえてその経験をさせてくれたお母様に感謝されている。そして、53才で社会人の障害福祉サービス事業をお母さまより引継ぎ、今に至っている。
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【3班 大住一馬さん】
菅野倖信 奥山隆 田中孝幸 大住一馬
少林寺拳法は、まさに守破離の世界であり、見様見真似から毎日同じことを繰り返し三年ほどで形が出来てくる守を修めて自然と型が出来るものを黒帯として、相手に合わせて応用するところに達する。黒帯になってからが長く・深く・面白いものである。
教員、営業、大工についても同じで、守を修めていない大工がリフォーム工事をすると、外してはいけない壁や柱を撤去してドアが閉まらなくなってしまう等の重大な弊害が起こってしまう。守を修めるには、素直な心、信じる心が必要である。守を修めた破の段階の黒帯こそが応用、工夫、追求し楽しむことができる。守を修めた破の段階の黒帯になってからが長い修行の時間である。
ISO規格やファミリーレストラン、コンビニのマニュアル等、「守」早く確実に修めるのに適した仕組みは、人が「破」や「離」に至る工夫や応用を否定することがあり、破における応用、工夫、追求し楽しむことを阻害しかねないとも言える。
ウニやイクラを寿司として握って欲しいと言われて、職人が編み出した軍艦巻きの様に「離」に至るには、自分以外の人の気持ちや立場を慮り尊重するといったところが重要なのかもしれない。
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【中村副会長の閉会挨拶】
本日は、お足元の悪い中、第226回目のビジネスクラブ例会にご参加くださり有難うございました。今回は、巻頭言より「相手の事情を察し、相手の心を思いやる」つまり相手の立場に立って考え行動し、最終的に「心を開いて、お互いの立場を理解し合う」と言うことを学びました。また、格言に学ぶ職場のモラルより「守破離」の考え方について話し合いをして頂きました。まず、基本の型を身につけ、その上でより良く模索改善し、最後は自分独自の独創性を育てると言う考え方でした。この2つの考え方は、「商い」の上からも「経済」という大きなくくりからも、家庭生活の上からも大切な考え方ですね。皆さん、活発な討論を有難うございました。また、世の中においては、まじかに衆議院選挙を控えあわただしい状況ですが、日本の未来において重要な選挙です。日本国民として冷静に国政を見つめて大切な1票を投じたいと思います。そして国外においては、戦争や飢餓のない平和な世界を希求して参りたいと思います。最後に、次回11月10日(日)には、一般の方対象の「ニューモラルのつどい」が午前10時~開催されます。皆様、お誘いあわせの上お越しください、宜しくお願い申し上げます。本日は誠に有難うございました。
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【連絡事項】
・11月10日(日)に第3回ニューモラルのつどいを開催します。
・会員のTさんから学びとぴあの紹介
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ありがとうございました。
◆猪谷会長より本日の勉強会の感想◆
大変すばらしい学びの時間となったと自負しております。